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フォイの雑記。

「ボケろや」という言葉を使うアイツの暴力性

こんにちは。

 

突然ですがお笑い文化が日常のコミュニケーションに浸透してきていますね。

私も「ボケ」「ツッコミ」「イジる」といったお笑いの用語を日常会話で使いますし、女性が求める男性像を聞かれたときに「面白い人」という意見が多かったり。

能町みねこさんが自身のコラム内に書いていたんですが、若者の語尾が「○○だから」「○○だし」化しているのは、お笑い文化が浸透してきているためであり、語尾にツッコミの役割を持たせているのだそうな。

 

そうした中、こんなことがありました。

私はお金がないのでファミレスのドリンクバーで時間を潰しているときのこと。私の真後ろの席に男女4人組みが座りました。

彼らの話に耳を傾けると、大学のサークルの仲間らしく男性一人だけが先輩のようです。その先輩が話の中心になり、会話を回していました。

先輩「最近何してんの?」

後輩男「学校でtoeicの勉強してますよ。」

先輩「他には?」

後輩男「深夜アニメをネットで見漁ってますね」

先輩「それだけ?」

後輩男「えーと、バイト忙しいので話すようなことはないんですよ」

先輩「お前ボケろや、女の子前なのによー」

女「かわいそうdすよ笑」

先輩まさにお笑い文化の影響をモロに受けている人だなあということがわかります。ダウンタウンあたりに影響されているのでしょうか。

でもなんか嫌な気持ちです。

 お笑い芸人がお笑い芸人に向かって「ボケろや」と言うのはテレビでもよく見るので流していましたが、日常で使っている人を見るとゾッとしてしまいます。

「ボケろや」の特徴

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一晩考えてみると理由がわかってきました。ボケろやという言葉は便利な言葉でもあり、ずるい言葉でもあります。

特徴1 簡単に笑いが取れる

私達一般人同士で話すときに笑いの質とか笑いの取り方とか考えたりしていません。

 相手と仲良くなるために会話をしているわけですから、だれかがおもしろいことを言ったら極力笑うようにしています。相手をすべらせても何の得もありませんから。

ということは、発言がおもしろいかどうかは関係ないんです。相手が「この人おもしろいこといってるんだなあ」また「ウケを取りに来てるんだな」ということがわかればいいんです。それが伝わったら、受け手は笑ってくれる。

「ボケろや!」というツッコミ?はわかりやすくお笑いの用語やお笑いの方式に乗っ取っており、受け手は笑いやすいです。

特徴2 いつでも使える

どんな会話でも「ボケろや!」は成立してしまいます。普通にしゃべっていているときに話の構成や笑いを入れるタイミングを考えていません。気の弱い私が「ボケろや!」と言われてしまったら「考えたこともなかったけど、こういうときは何か面白いことを言わないといけないんだな」と思ってしまいます。

また言われた方に注意が向くので、さっきの発言は変だなと思うことはありません。

だから「ボケろや」はいつでも使えるのです。

特徴3 反論される心配がない

「ボケろや」と言う相手は大体自分より下の立場です。先輩と後輩、上司と部下、リーダー役といじられ役。目上の人にはとても失礼な言葉ですから。

もちろん、下の立場の人は何も言えませんから、「いやー、ボケるの難しいんですよ。ははは」と言って茶を濁すしかない。結果「ボケろや」といった人が正しいと周りに映るんです。

 

普段の関係性から絶対に反論される心配がないからそいつをくさして笑いをとって、自分の立場を確立する。

お笑い文化を利用した処世術というか、弊害というか。そういうのが気持ち悪かった。

 

「ボケろや」と言う人はめんどくさい

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もちろん、お笑い芸人やそういう方面の仕事をしている人はちがいますよ。

でも「ボケろや」と相手に詰め寄る人がめんどくさい人であるのは間違いありません。

そもそもボケていないという状態とは何ですか。

無言でいても、長々としゃべっていても、話している途中にごちゃごちゃになってもツッコミが入ればボケとして成立するのではないでしょうか。

お笑いの養成所で、ボケを教えることはありません。ダンスをしたり、お笑いと関係のない話を聞いたり、感情表現をしたり、お笑いと関係なさそうに見えることをしています。

どれがボケになるかはその時の状況で変化するのだと思います。それを見極めるのは周りの仕事です。イジるのが上手い人はここらへんに長けているのだと思います。

つまり、「ボケろや!」は「絶対にボケなければならない状態なのにお前はなぜボケないんだ」と言い換えられます。

でも、絶対にボケなければならない状態のときなんて日常生活でありますか?

 

なので「ボケろや!」という人は、その場を盛り上げようとしているように見えますが、単純に自分の権力を見せたいだけの人なのだと思います。

 

読んでいただきありがとうございました。