専門用語に惚れ惚れした話
昨日今日と仕事で横浜で開催された「日本循環器学会」に行ってきました。
循環器、簡単に言えば心臓を専門にした先生が集まって「あーでもない、こーでもない」言う集まりです。最近の知見が知れるので、僕は聴講駆り出されたわけです。
初めての学会の感想は
何喋ってるかわかんねえ。
論文は基本英語で書かれてるし、ふらっと入ってみたら英語のセッションだったり。日本語で発表してるなあと思ったら、カタカナ英語がポンポン出てきます。
例えば下記みたいな感じです。
1「クラスエフェクト」意味:そのカテゴリー全てに共通する効果 対義語「ドラッグエフェクト
例)◯◯製薬が販売している高血圧治療薬A。今回の研究でガン細胞を小さくする効果があることがわかったが、その効果はクラスエフェクトかどうかは検証されていない。
2「レスポンダー」意味:効果がある
例)A薬を使って臨床試験を行ったところ、30%がノンレスポンダーであった。
3「コントロバシー」議論の余地がある=controversy
例)この広告を臨床に反映するかどうかはコントロバシーだ。
4「メタアナリシス」意味:エビデンスとしてかなり有効な統計解析 類義語:コホート
例)A薬を用いた研究をメタアナリシス解析を行った。※医学統計用語は他にもめちゃくちゃあります。
5「オルタナティブ」意味:変わるもの=alternative
狭心症治療法の最新治療A法はコスト面も優れており、オルタナティブになりうる。
6「カットオフ」意味:分割点
この研究では血圧140をカットオフ値として、高血圧郡と非高血圧郡に分け、検証した。
それ以外にも、「リバースリモデリング」とか「カテコラミンディペンデント」とか、病態や薬理作用を示す言葉も出てきます(普通に人は死ぬまで口にしない言葉たち)。
先生方はこんな感じに発表します。
「今回のA薬の心保護作用を検証するため、メタアナリシス解析を致しました。BNP値200をカットオフ値、2郡間で解析をかけました。30パーセントの患者がレスポンダーであり、この効果がA薬独自のものなのか、それともクラスエフェクトなのかはコントバシーであります。(内容は適当です)」
意味が少しずつわかるようになってから、講演聴いてみると、独特のキレと凄みみたいなものがあリマスな。知的な先生が落ち着いたトーンで話しているのも手伝っているのもありますが、心地よかったです
椎名林檎「熱愛発覚中」という歌があります。
PVではナースの衣装に身を包んだ林檎さんがツンデレな歌詞を歌うんですが、
サビに「CRP」「SPO2」って言葉が出てきます。どちらも循環器でよく使われる言葉で、特に心筋梗塞患者の病態を見るのに役立つ指標です。
最初聞いたときに「こんなの誰もわからんやろ笑なんで入れたんや」と思いましたが、
専門用語には独特のかっこよさがあるからかなあと思いました。
まとまりないですが、以上です。
読んでいただきありがとうございました。